甲信越での会社売却・M&A|「社内反対」や「検討棄却」を回避し成約させる方法 | 甲信越M&A総研マガジン

甲信越での会社売却・M&A|「社内反対」や「検討棄却」を回避し成約させる方法

甲信越エリア(新潟・長野・山梨)のM&Aで発生しやすい社内反対や検討棄却の回避策を専門家が解説します。親族への説得方法から企業価値の磨き上げ、信頼できる相談先の選び方まで、成約率を高めるための実践的な情報を網羅しました。

目次

  1. 甲信越の経営者が直面する「会社内棄却」とは
  2. 甲信越でM&A提案が棄却される3つの主なパターン
  3. 社内の反対(棄却)を乗り越えるための合意形成プロセス
  4. 買い手からの検討棄却を防ぐ企業価値の磨き上げ
  5. 甲信越でのM&A相談先の選び方
  6. M&A総合研究所が甲信越の棄却リスクに強い理由
  7. 甲信越エリア周辺のM&A成功事例【M&A総合研究所 成約インタビューより】
  8. M&Aを成功させるための準備
  9. まとめ

「長年守ってきた会社を売るなんて、先祖に申し訳ないと思わないのか」

「東京の大きな会社に、私たちの技術が理解できるはずがない」

新潟県、長野県、山梨県の甲信越エリアで会社売却を検討する経営者の方々から、このような周囲の反対に悩む相談が多く寄せられています。

また、経営者自身が決断を下しても、買い手企業からリスクが高いと判断されて検討を棄却されたり、最終段階の調査で破談になったりするケースも少なくありません。甲信越エリアは、独自の職人文化や複雑な権利関係を持つ企業が多く、他の地域に比べてM&Aの合意形成が難しいという側面があります。

このような不安や苦い経験を抱えたまま、後継者不在の課題を先送りにすることは、企業の存続そのものを危うくします。

この記事では、甲信越エリアのM&Aにおいて直面する会社内棄却や市場棄却の正体を明らかにします。その上で、周囲の理解を得るための具体的なプロセスや、買い手から正当な評価を受けるための準備、そして成約まで導くための専門家の活用方法について、詳しく解説していきます。

甲信越の経営者が直面する「会社内棄却」とは

本記事で定義する「会社内棄却」とは、経営者が会社売却や事業承継のためのM&Aを決断したにもかかわらず、社内や親族、あるいは交渉相手である買い手企業からの拒絶によって、計画が白紙に戻ってしまう状態を指します。新潟県、長野県、山梨県の甲信越エリアにおいては、この棄却リスクが都市部の企業よりも高い傾向にあると言えます。

その背景には、この地域が持つものづくりへの強い自負や、古くから続く地域社会の繋がり、そして評価が難しい観光資源や特殊な技術といった特性があります。経営者が一人で売却を進めようとしても、これらの要因が複雑に絡み合い、最終的な成約を阻む壁となって立ちはだかります。

具体的には、以下の3つの段階で棄却が発生する可能性があることを理解しておく必要があります。

1.親族や役員による感情的な反対によって、社内での合意が得られない「社内棄却」

2.自社の価値が買い手市場のニーズと合致せず、検討の土台にすら乗らない「市場棄却」

3.基本合意後の詳細な調査において重大な欠陥が露呈する「最終棄却」

甲信越エリアのM&Aでは、保守的な組織文化や特殊な資産背景を理解した上で、段階的な棄却リスクを排除する戦略的な進め方が求められます。

甲信越でM&A提案が棄却される3つの主なパターン

なぜ甲信越の企業において、M&Aの提案が途中で立ち消えになったり、拒絶されたりするのでしょうか。そこには、この地域特有の産業構造や文化が色濃く反映された失敗の型が存在します。これらを事前に把握しておくことで、回避策を講じることが可能になります。

1. 親族・古参役員の家業意識による反対

新潟県の燕三条エリアや長野県の諏訪・松本エリアなど、高度な技術に誇りを持つ地域で最も多いのが、精神的な反発による棄却です。「先祖代々の暖簾を第三者に渡すのは恥だ」「職人の魂を金で売るのか」といった、感情的な論理が合理的な経営判断を上回ってしまうケースです。

特に、創業家出身の親族や、長年経営を支えてきた古参の役員にとって、会社は単なる経済活動の場ではなく、アイデンティティの一部となっています。買い手となる首都圏の大手企業などに対し、「地方の技術や苦労が分からない者たちに支配されたくない」というアレルギー反応を示すことも少なくありません。

このような反対が組織化されると、従業員の士気が低下したり、最悪の場合は技術流出を伴う退職騒動に発展したりすることもあります。伝統や技術への誇りが強い地域ほど、感情面での配慮を欠いたM&A提案は、内部からの激しい反発によって否決される可能性が高まります。

2. 買い手市場からの検討見送り

経営者自身が自社の技術力や観光資源の価値を高く見積もりすぎるあまり、M&A市場の相場から大きく逸脱した売却希望額を提示してしまうパターンです。これは「市場棄却」と呼ばれる状態であり、仲介会社に相談しても買い手候補から見向きもされない、あるいは交渉のテーブルについても即座に断られる事態を招きます。

甲信越の企業には、特定のニッチ分野で世界的なシェアを持つ企業や、富士山周辺などの絶好のロケーションを持つ宿泊施設が多く存在します。しかし、買い手企業が重視するのは、過去の自負ではなく、買収後の収益性と成長性です。「良いものを作っていれば、高く売れて当然だ」というプロダクトアウトの発想は、資本の論理が働くM&A市場では通用しません。

財務数値に基づかない主観的な価格設定は、誠実な買い手候補を遠ざけ、結果として売却の機会を逃すことになります。自社の強みを客観的なデータや収益予測に変換できなければ、どれほど優れた資産を持っていても、買い手市場から検討対象外として棄却されます。

3. 権利関係の不備による最終棄却

基本合意に至り、成約まであと一歩という段階で発生するのが、買収監査(デューデリジェンス)における重大リスクの発覚による破談です。甲信越の老舗企業や観光事業者において、最も警戒すべき「最終棄却」の要因です。

例えば、山梨県や長野県の温泉旅館に多いのが、温泉を利用するための「温泉権」の更新手続きが漏れていたり、名義が数代前のままになっていたりする不備です。また、工場の敷地の一部が隣地との境界が未確定であったり、古くからの口約束で借地を利用していたりするケースも散見されます。

さらに、製造業であれば、過去に廃棄物を自社敷地内に埋設していたといった土壌汚染リスクが発覚することもあります。買い手企業は、これらの法務・環境リスクを承継することを極端に嫌います。成約直前で見つかる権利関係の不備や隠れた負債は、買い手からの信頼を一瞬で失墜させ、交渉を強制終了させる決定的な要因となります。

社内の反対(棄却)を乗り越えるための合意形成プロセス

身内や長年の仲間からの反対を押し切って売却を進めることは、精神的にも大きな負担となります。しかし、感情論を感情で返しても解決には至りません。客観的な事実と外部の専門家の力を借りて、M&Aが会社と従業員を守るための最も現実的な解決策であることを論理的に説明する必要があります。

説得の鍵は、現状維持がもたらす悲劇的な結末を共有することと、売却後の明るい未来を具体的に提示することの両面にあります。経営者が孤独に決断するのではなく、周囲を巻き込んだ納得のプロセスを設計しましょう。

社内の合意形成を成功させるためには、廃業のリスクを数字で可視化し、M&A後の雇用と屋号の維持を明確に約束することが不可欠です。

廃業シミュレーションの提示

反対派の多くは、「今のままでも何とかなるのではないか」という漠然とした期待を持っています。この幻想を打ち砕くために、有効なのが「廃業した場合のコスト試算」の提示です。後継者がいないまま経営者が引退した場合、会社がどのような末路をたどるのかを具体的に示します。

具体的には、工場の設備を廃棄するための処分費用、建物の解体と更地化にかかる費用、全従業員に対する退職金の支払い、そして金融機関への一括返済などを算定します。多くの場合、資産をすべて売却しても負債が残り、経営者の手元には何も残らないどころか、個人の資産を持ち出さなければならない現実が明らかになります。

会社を売ることが得をするための行為ではなく、「廃業という最悪の事態を避けるための、経営者としての最後の責任」であることを理解してもらうのです。廃業に伴う莫大なコストと、地域社会や従業員に与える損害を具体的な数値で示すことは、反対派の意識を事業継続へと向けさせる強い動機付けとなります。

M&A後のビジョンと雇用の確約

周囲がM&Aに反対する根源的な理由は、変化に対する恐怖です。「新しいオーナーに変わったら、自分たちはクビになるのではないか」「長年親しんだ屋号やブランドが消えてしまうのではないか」という不安が、拒絶反応として現れます。

この不安を払拭するためには、買い手企業との交渉において、従業員の雇用条件の維持や、屋号・工場の継続を契約条項に盛り込むことを最優先課題とします。また、買い手企業が持つ資金力やネットワークを活用することで、これまで資金不足で断念していた設備投資が可能になり、若手技術者の採用も進むといった、ポジティブな変化を伝えます。

会社を売るのではなく、「より大きな資本と組んで、会社を次の成長ステージへ引き上げる」という表現を用いることが重要です。従業員の生活を守り、自社の技術をさらに発展させるためのパートナー選びであることを誠実に説明し、契約でその内容を担保することが、社内の安心感を醸成します。

買い手からの検討棄却を防ぐ企業価値の磨き上げ

甲信越の企業が、全国の優良な買い手企業から「ぜひ譲り受けたい」と評価されるためには、売却活動を開始する前の磨き上げが欠かせません。自社の弱点を補い、強みを際立たせる準備を行うことで、市場から棄却されるリスクを大幅に下げることができます。

この準備は、単に決算書をきれいにすることだけを指すのではありません。実務の現場において、第三者が客観的に評価しやすい状態を作ることが重要です。産業別の具体的なポイントを整理します。

買い手からの検討棄却を回避するには、技術の属人化を解消するマニュアル化や、将来的なコスト負担となる設備修繕リスクの透明性を高める準備が重要です。

製造業:技術の形式知化

新潟の金属加工業や長野の精密部品メーカーにおいて、最大の資産は職人の持つ高度な技術です。しかし、これが「経営者や特定の職人の頭の中にしかない」状態であると、買い手は「その人がいなくなったら、この会社に価値はなくなる」と判断し、検討を棄却してしまいます。

そこで、暗黙知となっている技術を形式知に変える作業を行います。作業工程をマニュアルとして文書化したり、熟練の技を動画で記録したり、検査基準を数値化したりする取り組みです。これにより、誰が担当しても同じ品質の製品が作れる組織であることを証明します。

また、古い設備のメンテナンス履歴を整理し、デジタル化しておくことも有効です。管理が行き届いている現場は、買い手にとって非常に安心感があり、高評価に繋がります。職人の勘に頼る技術をマニュアルやデータに落とし込み、組織としての再現性を担保することで、技術承継を望む買い手からの棄却リスクを排除できます。

観光業:設備投資リスクの開示

山梨や長野の観光・宿泊業において、買い手が最も恐れるのは、買収後にかかる想定外の修繕費用です。多くの老舗施設では、配管の老朽化や耐震不足、厨房設備の更新など、目に見えない箇所に多額の投資が必要な状態を抱えています。

これらのリスクを隠したまま交渉を進めると、最終段階の調査で必ず露呈します。その時点で破談になるだけでなく、地域の同業者間でも「あそこは情報を隠している」という悪評が広まり、二度と売却できなくなる恐れがあります。

賢明な方法は、将来必要となる修繕箇所とその概算費用を、事前に自ら調査して開示することです。そのコストを差し引いた上での適正価格を提示することで、買い手との間に誠実な信頼関係が築かれ、スムーズな成約が可能になります。老朽化した施設の修繕リスクを包み隠さず開示し、納得感のある価格設定を行うことが、成約直前の破談を未然に防ぐ唯一の方法です。

甲信越でのM&A相談先の選び方

M&Aを成功させ、不本意な棄却を避けるためには、パートナーとなる相談先の選定が極めて重要です。甲信越エリアには地域に根ざした相談先が多くありますが、それぞれの得意分野と限界を正しく理解し、自社の課題を解決できる相手を選ぶ必要があります。

単なる地元のしがらみで選ぶのではなく、全国規模のマッチング能力や、業界特有の深い知識を持っているかという視点を持ってください。

甲信越でのM&Aを成功させるには、地元の信頼関係を大切にしつつ、全国の買い手と繋がるネットワークを持つ専門の仲介会社を活用することが有効です。

地元の税理士・金融機関

日常の資金繰りや税務相談において、地元の銀行や顧問税理士は最も頼りになる存在です。経営者にとっても、相談のハードルが最も低い相手と言えるでしょう。地域内の企業同士を繋ぐ地域内再編においては、抜群の力を発揮します。

しかし、注意が必要なのは、彼らはM&Aの専業ではないという点です。燕三条の特殊な技術を正当に評価できる専門家が社内にいなかったり、県外や海外の買い手候補へのアクセス力が不足していたりすることがあります。その結果、紹介される相手が限定的になり、最適な条件での譲渡が叶わずに市場から棄却される形になるリスクがあります。

顔の見える関係性は重要ですが、自社の価値を全国区で問いたい場合は、もう一つの選択肢が必要です。地元の金融機関や税理士は地域事情には精通していますが、広域のマッチングや高度な企業価値評価においては、専門の仲介会社に一日の長があります。

製造業・観光業に強い仲介会社

甲信越エリアの産業の柱である製造業や観光業は、非常に専門性の高い分野です。そのため、単なるM&Aの進め方を知っているだけでなく、サプライチェーンの構造やインバウンドの動向、特有の法規制を熟知しているアドバイザーの存在が不可欠です。

製造業に強い仲介会社であれば、工場の機械構成を見ただけで、その企業の潜在能力を見抜くことができます。観光業に強ければ、宿泊単価の推移や稼働率のデータから、再生の可能性を論理的に買い手へプレゼンできます。このような目利きができるアドバイザーは、買い手の不安を解消し、検討棄却を防ぐために非常に重要な役割を果たします。

全国に支店を持つ仲介会社の中には、甲信越専用のチームを置いているところもあり、地域の事情と全国の資本を繋ぐハブとして機能しています。特定の業界知識に長けた仲介会社を選ぶことで、自社の隠れたポテンシャルを買い手に正しく伝え、高い評価での成約を実現できる可能性が高まります。

M&A総合研究所が甲信越の棄却リスクに強い理由

M&A総合研究所は、甲信越エリアの経営者様が抱える周囲の反対や検討棄却といったリスクを最小限に抑え、成約まで伴走するための独自の強みを持っています。私たちは、単なるマッチングだけでなく、地域社会の文脈や経営者の想いを汲み取った丁寧なプロセスを重視しています。

地方特有の繊細な合意形成を、どのようにして円滑に進めているのか。その理由を具体的に解説します。

M&A総合研究所は、甲信越専任チームの地域密着サポートと、AIを駆使した広域マッチングにより、あらゆる棄却リスクを排除し、早期成約を実現します。

甲信越専任チームによる地域密着サポート

当研究所では、新潟・長野・山梨の産業構造や商慣習を熟知したアドバイザーで構成される甲信越専任チームを設置しています。私たちは、オーナー経営者様の相談を電話やメールだけで済ませることはありません。必要に応じて、即座に燕三条の工場や、軽井沢のホテル、甲府の事務所へと足を運びます。

直接お会いして、経営者の苦労や従業員への想いを伺うことで、親族や役員の方々に対しても、経営者の代弁者として説得力のある説明を行うことができます。第三者の専門家が中立的な立場でM&Aの正当性を語ることは、身内同士の感情的な対立を鎮めるための、非常に有効な手段となります。

地域特化の専用サイト( http://koshinetsu-ma.com/ )を通じて、常に最新の地域情報を収集していることも強みの一つです。甲信越専任のアドバイザーが直接現場に赴き、経営者の想いを汲み取りながら社内の合意形成をサポートすることで、感情的な棄却リスクを解消します。

AIマッチングによる最適な買い手探索

私たちは、従来の属人的なネットワークだけでなく、独自のAIを活用したマッチングシステムを導入しています。これにより、日本全国数万社の買い手データの中から、甲信越の技術や資源を真に必要としている企業を瞬時に、かつ網羅的に探し出すことができます。

例えば、「新潟の小さな町工場の技術を、自社製品の高度化に活かしたいと考えている九州の精密機器メーカー」や、「山梨の老朽化した旅館を、最新のデジタル技術で再生させたいと考えている異業種のITベンチャー」といった、従来の人間関係では見つけられなかった最適なパートナーを提案することが可能です。

選択肢を広げることは、譲渡条件の向上に繋がるだけでなく、「この相手なら会社を任せられる」という経営者の確信を生み、周囲の納得感も高めます。最新のAI技術を用いて全国から最適なシナジーを生む買い手を探索することで、市場での検討見送りを防ぎ、理想的な成約へと導きます。

完全成功報酬制とスピード対応

M&Aは長期化すればするほど、社内の反対勢力が組織化されたり、業績の変化によって買い手の意欲が減退したりと、棄却リスクが高まります。当研究所は、譲渡企業様の着手金や中間金を一切いただかない完全成功報酬制を採用しており、成約までスピーディーに進める体制を整えています。

相談段階での金銭的リスクがないため、経営者様は安心して検討を始めることができます。また、私たちは業界でもトップクラスの成約スピードを誇り、平均して半年から1年以内、早ければ数ヶ月での成約を実現しています。短期間で着実にプロジェクトを進めることは、不必要な噂が広がるのを防ぎ、組織の動揺を最小限に抑えるためにも極めて重要です。

完全成功報酬制による安心感と、反対派が動く隙を与えないスピーディーな交渉実行が、甲信越企業のM&A成功率を飛躍的に高めます。

甲信越エリア周辺のM&A成功事例【M&A総合研究所 成約インタビューより】

理屈だけでは解消できない不安に対し、最も説得力を持つのは実際に困難を乗り越えた同業者の実例です。甲信越エリア、および産業構造や地域性が類似する近隣エリアの成功事例を紹介します。

これらの事例の主役たちは、当初、周囲の猛反対や後継者不在の絶望の中にいました。しかし、勇気を持ってM&Aという選択肢に向き合い、誠実なパートナーと出会うことで、会社を存続させ、従業員に新しい活躍の場を提供することに成功しました。

具体的なエピソードから、成功のヒントを掴んでください。実在する成功事例を紐解くことで、社内反対や検討棄却といった壁を乗り越え、事業を未来へ繋ぐための具体的な道筋が見えてきます。

【長野県・調剤薬局】地域密着薬局の事業承継

長野県で地域に密着した調剤薬局を営んでいた企業の事例です。オーナーは高齢となり、親族に後継者がいない中、自らの代で薬局を閉じることも考えていました。しかし、薬局は地域住民にとって欠かせない医療インフラであり、廃業は地域への背信行為になるという強い葛藤を抱えていました。

M&Aの検討を開始した際も、古くからの従業員からは「大手チェーンに飲み込まれたら、自分たちのこれまでのやり方が否定されるのではないか」という懸念の声が上がりました。そこでオーナーは、譲渡先として地域医療の存続を第一に考える理念の近いパートナーを粘り強く探し、従業員との面談を重ねました。

最終的には、雇用と給与が維持され、むしろ最新の調剤システムの導入によって業務が楽になることが分かり、従業員も納得の上で譲渡が成約しました。地域の医療を守りたいという想いと、従業員の不安に寄り添った誠実なプロセスが、地域密着型ビジネスの承継を成功に導きました。

【群馬県・製造業】中村製袋株式会社|エリア外連携で技術を繋ぐ

甲信越に隣接し、製造業が盛んな北関東の事例です。中村製袋株式会社様は、非常に高い品質の製袋技術を持ちながら、後継者がおらず、技術の途絶が危惧されていました。当初は「地元の企業でなければうまくいかない」という思い込みもあり、マッチングに苦戦していました。

しかし、視点を全国に広げ、M&A総合研究所のサポートのもとで福井県の企業との交渉を開始しました。福井県の買い手企業は、同業種としての高い知見から中村製袋様の技術の希少性を正当に評価し、県外への進出拠点としても大きな価値を見出しました。

この事例は、地元のしがらみを越えて広域でパートナーを探すことが、結果として技術と雇用を最も確実に守る道であることを示しています。県外の同業者と組むことで技術的シナジーを発揮し、後継者不在の課題を企業の成長へと転換させた、ものづくり企業にとってのモデルケースです。

【北海道・宿泊業】三井観光株式会社|観光資源の再生と発展

長野や山梨の観光業者様に参考にしていただける、大規模なリゾート物件の再生事例です。長年の経営により施設の老朽化が進み、オーナーは巨額の修繕費用と後継者問題に頭を悩ませていました。一時は「もうこれ以上の運営は無理だ」と棄却に近い状態まで追い込まれていました。

M&Aを通じて、ホテル再生のプロフェッショナルである企業へ事業を譲渡したことで、施設は大規模にリニューアルされ、最新のマーケティング手法によってインバウンド客が激増しました。元の従業員たちは、新しいオーナーのもとでより洗練されたサービススキルを学び、イキイキと働き続けています。

外部の資本とノウハウを入れることは、伝統を壊すことではなく、伝統を現代のニーズに合わせて蘇らせることだということを教えてくれる事例です。資金力と運営ノウハウを持つ企業へ譲渡したことで、老朽化した施設の価値を再興し、地域全体の活性化に貢献する拠点へと生まれ変わらせました。

M&Aを成功させるための準備

M&Aは、経営者にとって人生最後の、そして最大の大仕事です。悔いのない結果を出し、社内外からの棄却を避けるためには、経営者自身のマインドセットを整え、万全の準備で臨む必要があります。

成功する経営者に共通しているのは、自社の現状を直視し、将来のリスクに対して誠実かつ迅速に対応する姿勢です。最後に、成約率を高めるための2つの心得をお伝えします。

M&Aの成功には、選択肢が多いうちに行う早期の決断と、不都合な情報も隠さず開示する透明性の高い対応が不可欠です。

早期決断が選択肢を広げる

「まだ体も動くし、業績も安定しているからM&Aは先でいい」。そう考えて先送りにしているうちに、予期せぬ健康問題が発生したり、主要な取引先を失って業績が悪化したりするケースは非常に多いです。企業の魅力が低下してから売却を始めても、買い手からはリスク案件として見なされ、市場から棄却される可能性が高まります。

M&Aにおいて最も高く売れ、かつ従業員の雇用を守りやすいのは、経営者が元気で、業績が良い時です。この時期であれば、複数の買い手候補から選ぶことができ、自社の想いを尊重してくれる最良のパートナーを見つけることができます。

いつか来る引退の日を逆算し、まだ余裕があるうちに準備を始めることが、最も確実なリスク管理となります。会社に体力があり、経営者が冷静な判断を下せるうちにM&Aを決断することが、最良のパートナーと出会い、棄却リスクを避けるための大原則です。

情報の透明性と誠実な対応

買い手企業にとって最も恐ろしいのは、買収後に知らされていなかった問題が噴出することです。例えば、過去の残業代未払いや、退職金規定の不備、取引先との契約トラブルなどです。これらが調査段階で発覚すると、買い手は「他にも隠し事があるのではないか」と疑心暗鬼になり、その時点で検討を棄却してしまいます。

不都合な情報は、初期の段階ですべて正直に開示してください。事前に知らされていれば、買い手はそのリスクを織り込んだ解決策や価格を提示することができます。経営者の誠実な姿勢こそが、最大の安心材料となります。

隠蔽は必ず見抜かれます。誠実なコミュニケーションこそが、成約への最短ルートであることを忘れないでください。自社の強みだけでなく課題やリスクも正直に開示し、買い手との信頼関係を構築することが、最終的な成約を勝ち取るための有効な手段です。

まとめ

甲信越エリアにおけるM&Aは、新潟・長野・山梨が長年育んできた貴重な技術や観光資源を、絶やさずに未来へ繋ぐための神聖な儀式とも言えます。後継者不在という現実に直面した際、それを放置して廃業に向かわせるのではなく、新しいパートナーに託すという決断は、経営者としての究極の勇気であり、責任感の表れです。

社内の反対や、市場からの棄却といった壁は確かに存在しますが、それは正しいプロセスと専門家の知恵を活用することで、必ず乗り越えることができます。自社の真の価値を理解してくれる相手は、全国、あるいは世界に必ず存在します。

M&A総合研究所は、甲信越の経営者様が抱える不安に寄り添い、AI技術と専任チームによる徹底したサポートで、貴社の集大成を最高の結果へと導きます。まずは、自社の可能性を知るための第一歩として、お気軽にご相談ください。その一歩が、貴社の会社と従業員の未来を大きく変えるきっかけになるはずです。

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